なっとくについて本気だして考えたよ。

 

じぶんがなっとくをすること以上に、ひとをなっとくさせることはとても難しいと感じませんか??

 

相手になっとくしてもらおうとして一生懸命に話していたのに、ついついじぶんに意見を押し付けて無理やり「説得」してしまうことがあります。
相手に「なっとく」してもらうことと、相手を「説得」することは大きく異なるのです。

 

わたしが、とても上手にひとをなっとくさせたな!と感じた話しをご紹介させていただきます。

 

美田敏郎さん(55歳・仮名)が仕事から帰宅しますと、妻の幸子さん(仮名)から、同居している母親のことで相談を持ち掛けられました。
87歳になる母親は、約1年前から認知症をわずらっていて、症状は少しずつ信仰しています。
そんな母親が、朝から財布がなくなったと騒いで、嫁の幸子さんが盗んだといいはじめたのです。
もちろん、幸子さんが盗んだはずはなくて、なんども「お義母さん、わたしは盗んではいませんよ。どこかにしまんたんじゃないの??」と言いましたが、
母親はまったく聞く耳を持たずに、幸子さんが盗んだと決めつけて困っているのだということでした。
美田さん、話を聞いて熟考しました。

 

おそらくじぶんが、「幸子は盗んでない、どこかにあるから一緒に探そうよ」といっても聞き入れないだろう。母親になっとくをしてもらうためには、どんな話をすればいいのだろうか・・・。
よく考えた末、美田さんは母親につぎのようい話したそうです。

 

「お母さん、あの財布はぼくがあずかってるから大丈夫だからね。」
母親は、この一言を聞いて、とても安心したようにうなずいて「そうかい、それなた安心だね。」といったそうです。
後日、美田さんが母親の部屋のタンスを探したところ、財布は見つかりました。

 

美田さんのお母さんが安心する様子が目に浮かびます。わたしは、とても上手ないい方だな、と思いました。
もし、美田さんが「お母さんの勘違いだよ。幸子は盗んでないよ。」といったら、母親はとても辛くなって、口をつぐんでしまったかもしれません。
「ぼくがあずかっているから、大丈夫です。」
という一言は、なっとくさせる言葉です。そして、「お母さんの勘違いだよ。幸子は盗んでないよ。」というのが説得する言葉になります。
このふたつは、まるで違います。
前者のなっとくは、母親に安心を与えますが、後者の説得は圧力を与えて緊張を生んでしまうのでしょう。無理に説得をしようとすれば、母親はなっとくができないまま、なくなった財布のことを心配しつづけてしまうに違いありません。
このように、なっとくと説得では大きな違いがあります。

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